ご挨拶

この度、ニューワールドレーシングオーナーズのパンフレットが完成しました。

 

以下はパンフレットの3ペ-ジ~6ページに記載されておりますマイケル・タバートのインタビューです。
このオーナーズを始めるに至った経緯
ニューワールドレーシングオーナーズの経営方針

 

などが記されております。

 

 

ニューワールドレーシングオーナーズ
マイケル・タバート

インタビュアー:矢作 麗

 

ガラス張りのシステムで、楽しく競馬をやりながらみんなで日高を盛り上げていきましょう。

●日本の競馬を教えてくれた方々に恩返しをしたい。

矢作 麗(以下、矢作) まずは自己紹介を兼ねて、マイケルさんご自身のことをお聞かせください。マイケルさんはオーストラリア出身で、おじい様がオーストラリアの牧場長をされていたということですが、もともと馬にご興味があったのですか。

 

マイケル・タバート(以下、マイケル) そうですね。祖父がオーストラリアのアローフィールドという牧場の雇われ牧場長をしていたので、小さい頃から馬には興味がありました。家族みんなも競馬が好きでしたし、子どもの頃から「いつかは馬主になりたい」と思っていました。

 

矢作 小さい頃から馬一筋だったのですね。それから日本にいらして京都大学へ留学中に「京都大学競馬研究会」に入られたということですが、在学中は競馬シミュレーションゲームの「ダービースタリオン」にのめりこみ、大学に行かずに1日15時間ぐらい「ダビスタ」をしていたこともあったとか。

 

マイケル いちばん勉強になったのは「ダビスタ」です(笑)。それは冗談ですが、リアルな競馬の世界に近いゲームだったので、どんなレースがあるとか、日本の競馬の仕組みについて詳しく知ることができました。

 

矢作 ということは「ダビスタ」がきっかけで日本の競馬に興味を持たれたのですか。

 

マイケル それがきっかけではないです。京大に行く前に大阪外語大学に1年間留学していたのですが、今、競馬関連のイベントで司会をされている講談師の旭堂南鷹(きょくどう なんおう)さんと偶然に仲良くなり、「日本にも競馬があるからいっしょに見に行こう」と誘われ、その時に日本の競馬のことを知りました。そして一緒に指定席を取るために阪神競馬場に徹夜で並んだりするようになったのが、日本の競馬にのめりこむようになったきっかけですね。その後、京大に入ってから同級生と「競馬研究会」を作りました。

 

矢作 ということはマイケルさんは京大競馬研究会の創設メンバーなんですね。

 

マイケル はい。大学の夏休みには競馬研究会のみんなで小倉競馬に競馬を見に行ったりしていましたし、その頃は一競馬ファンでした。

 

矢作 今では日本の永住権をとられ、日本語がペラペラで、JRAの馬主免許も取得していらっしゃいますが、そこまで日本の競馬に夢中になったのはなぜでしょうか。

 

マイケル 日本の馬は世界でいちばん強いと思いますし、日本の競馬界の仕組みはよくできています。日本の競馬は馬券を買う側からすると控除率が高いですが、その分、競馬の設備や警備など、業界の向上のためにお金をかけているのはいいことだと思います。今でも「競馬=ギャンブル」という悪いイメージを持つ人もいると思いますが、競馬は世界に誇れる日本の産業だと思います。

 

矢作 日本の馬主の資格を取るのには苦労されましたか。

 

マイケル はっきりと調べたわけではありませんが、僕の記憶だと、日本で馬主になった外国人はドバイの王様に次いで僕が二人目だと思います。もちろん資産面は違いますが(笑)。僕は他の日本の方と同じように馬主の資格を取りましたが、周囲の方が「今だったら馬主になれるよ」と応援してくれたので取ることができました。「馬主になるなんて無理じゃないか」と思う方もいらっしゃるようですが、条件を満たして、後は紹介してくれる人さえいれば、馬主はそんなに遠い存在ではありませんよ。

 

矢作 小さい頃からの夢だった馬主になれた時はどんなお気持ちでしたか。

 

マイケル 本当に馬主になれると思っていなかったので、うれしかったです。それとまわりの方々から日本の競馬について教えていただいたから今の僕があると思いますので、少しでも恩返しをしていきたいですね。

 

矢作 北海道の日高地方、そして浦河との出会いは、どういうきっかけだったのですか。

 

マイケル 今回の育成は浦河のカナイシスタッドで行うのですが、ここは京都馬主会の理事の山上和良先生からのご紹介です。山上先生とのご縁でカナイシスタッドの金石守代表と知り合い、僕の馬のハナズゴールをここで育成していただくようになりました。必然的に浦河に行く機会が増えたのですが、ハナズゴールが勝った時の浦河の人の喜ぶところを見て感激しました。今年になって僕も浦河町民になりましたが、浦河にはせっかくいい馬を作れるのに経営的に苦戦している牧場は多いので、少しでも応援できればと思っています。

 

矢作 浦河、そして日高を盛り上げていこうということですね。

 

マイケル 僕一人では何もできませんが、今回のオーナーズのようにみんなで力を合わせていけば浦河も盛り上がると思います。

 

 

●一口馬主同士がチーム一丸となって競馬に取り組んでほしい。

矢作 さて、そんなマイケルさんが、業界へのいろいろな思いがあって、今回ニューワールドレーシングオーナーズを立ち上げたとお聞きしましたが、なぜ立ち上げようと思われたのでしょうか。

 

マイケル 先ほども言いましたが、まずは日高の生産者が苦労しているのを見ていて、日高に行くたびにこの状況をなんとかできないかなと思っていたことがひとつ。それと僕はハナズゴールのお陰でそれなりに知名度があるので厩舎に入れてもらえたりするのですが、他の馬主の方で入れたい厩舎に入れられなかったり、乗ってほしい騎手が乗ってくれなかったりということがあって、日本の個人馬主というものに限界を感じていたことも理由のひとつです。それと若い馬主の方と仲良くなって、みんなで馬を持つことは楽しいなと思うようになったから。そういうことを全部考えたら「オーナーズ」という組織は面白いと思いました。今回のオーナーズはひと口馬主同士がチーム一丸となって同じ目標をめざし、みんなで楽しく競馬ができたらいいなと思っています。

 

矢作 それは以前から考えていたことなのですか。

 

マイケル いや、馬主をやりたいと思った時は個人のことしか考えていませんでした。ただ馬を共有で所有して分かったが、勝てばみんなで大喜びするし、負けたらみんなで悔しがる。勝っても負けてもみんな集まって飲みに行くことや、観戦旅行というような楽しみがあります。そしてオーナーズをやるなら日高の馬でやりたいなと思って、今回の設立を決めました。

 

矢作 なるほど。このオーナーズの仕組みをもう少し詳しくご説明いただけますでしょうか。

 

マイケル まず1年目は6頭で始めて、ここからどんどん大きくしていきたいと思っています。今年の6頭はすごくいい馬を見つけることができました。組織の在り方としては、他のオーナーズのようながっちりと固まった組織と単なる個人馬主の集まりの中間ぐらいの組織を考えています。それから会費もないし、賞金の手数料もとらない。その馬が引退するまでかかったコストを分担する。例えば預託料が60万円だとしたら10人で一人6万円を負担する。もちろん、勝ったら馬主に入る賞金を分担する。そういうやり方を考えています。

 

矢作 目標について聞かせていただけますか。

 

マイケル たまたま今回は6頭とも牝馬なのですが、牝馬は桜花賞、牡馬はダービーを狙っていける馬を探して日高の牧場を何百か所も回りました。もし桜花賞に出走できたら厩舎の方には500万円を払います。250万円は会員に負担いただいて、250万円はこちらで負担します。それぐらいの気持ちで、皆で同じ目標に向けて、チームとしての一体感を出して華やかな舞台をめざしていきたいですね。

 

矢作 そういう目標があれば、馬主の方も、厩舎の方も、一体感を持ってやっていけますね。

 

マイケル それと一方的に調教師やオーナーズですべての物事を決めるのではなく、できるだけオーナーの皆さんの声を聞いていきたい。例えば「交流戦に行ってほしい」とか「海外で勝負したい」とか、なるべく皆さんの意見を吸い上げる仕組みにしたいです。

 

矢作 このオーナーズの将来像はどのようにお考えでしょうか。

 

マイケル このオーナーズがめざすのは、個人馬主になりたい方が個人馬主の資格を取るきっかけになったり、いっしょに競馬を楽しめる人がいないという個人馬主の方が競馬を楽しめるようになったりすること。趣旨に賛同いただいく方が一人でも増えてくれたらいいですね。それからホームページもレントゲン写真を載せたり、喉検査の動画等を載せます。何の問題もないという馬はなかなかいないです。課題はあるけど競馬には支障がないとか、そういう説明を兼ねて、ここでは馬に関する情報を全部オープンにしようと思っています。馬主の方に日高の馬を安心して買っていただけるようなパイプになればと思っています。

 

矢作 「馬の悪い部分もきちんと見せる」ということですか。

 

マイケル いや馬が抱えている問題が競馬にとって「悪い」かどうかは走るまでわかりません。例えば馬に異常があったら売る時は言いたくないのが普通でしょう。それをここでは獣医さんや歯科医さんに見てもらい、骨に異常があるけれども手術した方がいいとか、あるいは手術しなくても大丈夫だとかいう情報をすべてオープンにする。ここに入ることで馬主について勉強になって、いつかは自分も一頭の馬主のオーナーになりたいと思ってもらいたいです。

 

 

●募集馬に関する圧倒的な情報量を提供していきたい。

 

矢作 ホームページについてはどのようにしていきたいとお考えですか。

 

マイケル 今は個人馬主でさえ、調教師から詳しい情報をもらえないことがあります。そこでここではオーナーの方がびっくりするぐらいの情報を出していきたい。例えばどこのオーナーズも馬の写真や動画があると思うのですが、ここのホームページではレントゲン写真を見ることもできますし、クリックするとそのまま獣医さんのページに飛べるような仕組みにしています。それと厩務員の方に動画を撮って送っていただき、馬の動画がアップされるようにしたい。スマホや携帯からも毎日新しい情報を見ることができるという形にします。

 

矢作 自分の持っている馬がどういう状態なのかは気になりますからね。オーナーズの方に「生産牧場のある浦河の名産品をお送りする」という話もお聞きしましたが。

 

マイケル 他のオーナーズのように、入会してポイントがたまったから何かもらえるというような特典制度は考えていません。ただ、例えば仲のいい個人馬主の仲間に子供が生まれたとお聞きしたら何か贈ったりするじゃないですか。そういうイメージで、例えば馬が勝ったときにオーナーの方に日高の特産物を贈るとか、そんな気持ちを大事にしようと思っています。会員の皆さんにこのオーナーズって楽しいと思っていただき、そして少しでも日高や浦河に関心を持ってもらえるようにしたいです。

 

矢作 人と人とのつながりを大切にするオーナーズですね。最後にこのカタログを読まれている読者の方へメッセージがございましたらお願いします。

 

マイケル 馬主の資格を持つ方で、一頭を持つのは難しいけれどひと口馬主なら、と思う方がいましたら、いつでもお問い合わせください。このオーナーズに入れば、馬主というものが見えてくると思います。会員の方にも良心的な値段になっていると思いますのでぜひひと口買っていただき、来年以降はもっともっと頭数を増やしていきたい。また、いずれは馬主の資格を取りたいと思っている人がいればこちらで支援しますので、ぜひ前向きに考えてもらいたいと思います。

 

矢作 これからの活躍を期待しています。

 

マイケル ありがとうございます。

 

 

 

PROFILE
マイケル・タバート
1975年1月12日生。オーストラリア・シドニー出身。高校生の頃、日本にホームステイをしたのがきっかけで、高校卒業後、大阪外語大学へ1年間留学。その後、京都大学経済学部に入学。大学卒業後、世界的な会計事務所に入社し、シドニー・東京・大阪で勤務。2009年12月、日本馬主資格を取得。日本永住権を持ち日本語も堪能。職場が同じだった花代夫人と結婚し、自身が所有する馬の冠名「ハナズ」は夫人の名からきている。著書に『馬主の一分』(KKベストセラーズ)。

 

PROFILE
インタビュアー:矢作 麗(やはぎ・れい)
1989年1月14日生。滋賀県出身のフリーアナウンサー、競馬ライター・ジャーナリスト。京都女子大学卒業。在学中の2010年、ミス京都女子大学に選ばれる。父は中央競馬調教師の矢作芳人。祖父は元全国公営競馬調教師会連合会会長の矢作和人。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です